「繰り上げ返済」と「がん団信」の払い損しない考え方
「住宅ローンは繰り上げ返済した方が安心」そう思っていませんか?

でもちょっと待ってください。
これから家を建てる方、特にがん団信(がん特約付き団体信用生命保険)を付けている方にとって、早期返済は損になる可能性があるんです。
そもそも「がん団信」って?

がん団信とは、がんと診断された時に、住宅ローンの残高がゼロになる保険です。
最近ではがんになる確率が高まっており、2人に1人が生涯でがんになるとも言われています。
万が一の時にも家族に住まいを残せる、安心感のある制度です。
▶ がん団信のコストは?
たとえば、がん団信付き住宅ローン(+0.1%)の例:
- 借入額:3,000万円
- 返済期間:35年
- 通常金利:1.0%
- がん団信付き金利:1.1%
この場合の月々の増加額は約1,000円前後(プランにより異なる)
これでローンが“がんで消える”保険がつくなら、かなりリーズナブルです。
▶ 繰り上げ返済のメリット
- 総返済額が減る(利息をカットできる)
- 返済期間が短くなる
- 精神的にラクになる
▶ でも、がん団信を付けているならデメリットも
- ローン残高が減るほど、がんになったときに帳消しされる金額も減る
- 保険の効力を“早く手放す”ことになる
- 手元資金が減ることで、生活リスクが上がる
繰り上げ返済は「最良の選択」ではない
特に以下の方には、繰り上げ返済よりも備える選択をおすすめします。
- がん団信付き住宅ローンを組んでいる方
- 30〜50代で、これからの健康リスクが見えない方
- 貯金に余裕がないご家庭(資金を減らすリスク)
将来の安心を保ちながら、団信の恩恵を最大限活かす。
それが、これからの住宅ローンの賢い選び方かもしれません。
【まとめ】

家は「建てたら終わり」ではなく、「守っていくもの」。
団信を“使える保険”と考え、早期返済だけを目指すのではなく、リスクとバランスを見て戦略的に備えることが大切です。